プレタポルテ

若者たちへと移るトレンドの主導権

プレタポルテとはファッションにおいては「高級既製服」を意味しますが、本来プレタポルテ(prêt-à-porter すぐ着られるよう準備されたものの意)はフランス語で「既製服」を指します。

この時代は工業化の波と女性進出をキーワードとし、才能豊かなデザイナーたちがきら星のように登場して斬新な意匠が数多く発明されました。
また衣服の大量生産が可能になるとファッション(自分の個性や精神性を表現するために装うこと)の一般化も徐々に進んでいき、トレンド(流行)が形成されるようになりました。この時代からトレンドセッターはこれまでの一部富裕層から若者へと徐々に移っていき、たいへん変化に富んだ時代と言えます。

若者の代表格、ザ・ビートルズ

この時代、ビートルズは世界中を熱狂に巻き込んだ20世紀を代表するロックバンドであり、彼らの若者に対する影響は絶大でした。1966年には来日も果たし、日本もビートルズフィーバーに沸きました。当館ではアニメ映画「イエロー・サブマリン」のバッジを展示しています。

愛と平和のヒッピー文化

旧来の保守的な価値観に対するカウンターカルチャーとして生まれたヒッピー文化はインドをはじめとした東洋哲学に影響を受け、自然との一体化や精神世界を重んじました。そのため、ヒッピーの若者たちは好んで麻や革などの自然素材のものや民族調のものをこぞって身に着けました。また一方では精神世界の表現として薬物による幻覚をデザイン化したサイケデリックなデザインを好んで取り入れています。

プラスチック素材の台頭

1970年代に入るとプラスチックの研究開発が進み、加工精度も上がったことで家電や生活用品など、さまざまな工業製品にも多用されるようになっていきます。金型を作り、素材を流しこむだけで安価に大量生産が可能、そのうえ着色や加工もしやすいプラスチックは装飾品の分野でも急速に広まっていきます。

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