アバンギャルド

多様化する個性の時代

1970年代後半以降をあらわすアバンギャルド(avant-garde)とは「前衛美術」を意味する言葉です。

現代を理解するためのキーワードである大量生産、そして保守的なものや社会の体制といった圧力に対する若者たちの反抗心はデザインにも強く反映されています。挑戦的、奇抜、本来アクセサリーの素材とされてこなかったもの、民族的なものなど、バラエティに富んだデザインとなっており、この時代以降の更に深まる個性と多様化の時代の萌芽を感じさせます。

◆主な展示デザイナー◆
クリスチャン・ラクロワ
モスキノ
シャネル
ジバンシィ
ドルチェ&ガッバーナ

高いイギリスの発信力

ファッションの本場と言えばそれまではフランスでしたが、イギリス、リバプール出身のビートルズに注目が集まり始めると1960年代には「スインギングロンドン」と呼ばれるような文化的活況を迎えます。
ツィギー(モデル)のミニスカート姿やモッズファッションなど次々に流行を発信。やがて1970年代に伝説的パンクロックバンド「セックスピストルズ」をプロデュースしたヴィヴィアン・ウェストウッドが1983年パリコレデビュー。イギリスの伝統的なクラシックとパンクが融合したスタイルで「パンクの女王」と呼ばれるようになりました。

ゴージャスという正義

1980年代頃は非常にゴージャスな作風をよく見かけることができます。太い金属の鎖、大ぶりなリボン、アピール力の高い奇抜なデザイン…これらの装身具は女性が社会に対してハッキリとした自己主張をおこなっていたことを裏づけてくれます。
日本でも1980年代後半のバブル好景気や男女雇用機会均等法施行などがあった時期には金色やゴツゴツしたデザイン、厚手の肩パットが入った金ボタンのニットや身体にフィットしたラインのファッション(ボディコン)、そしてブランド品が大流行しました。

多様化する時代に

アバンギャルドの時代以降は既に自ら好きなものを選ぶ時代に入っています。インターネットの高速化や通信関連技術の進歩に伴い、店頭販売以外に新たにオンラインショップという販売チャネルが登場し、世界中から必要なものを取り寄せることが可能になりました。明確なトレンドというものは解体されており、2000年代以降は多品種少ロット時代または個別対応時代とも言われ、「他の人と同じものを持ちたくない」という、ある種のオーダーメイド時代に入っていきます。

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